「こんなにも、求められてたんだ」
そう気づかされたきっかけは
とあるカフェの商品開発をしていた時のこと。
わたしは幼い頃からお菓子が趣味で、
バターも小麦粉もたっぷり使ったスイーツを
つくるのも、食べるのも大好きでした。
なので、ヴィーガンやアレルギーがある方から
「卵や乳製品、小麦粉を使わずお菓子をつくれないか」
という要望があった時、ハッとしました。
卵、乳、小麦。これらはお菓子の必須素材です。
なのに、最もアレルギーが多い食物でもあります。
ほんとうはお菓子が食べたいのに、
食べられない人がいることを、改めて知りました。
持ち前の探究心が、むくりと芽生えた瞬間でした。
おいしいものは、この世の中にあふれている。
だったら、おいしいだけじゃなく、
自分にしかできないお菓子をつくってみたい。
ヴィーガンとグルテンフリーのお菓子をめざす、
終わりのない旅がはじまりました。
小麦粉もバターも砂糖も使うことなく、
生地には米粉を、
油脂分にはココナッツオイルを、
糖分にはメープルシロップを、
じゃあもっと、これもあれも使わずに、
どうにかして、おいしくできないだろうか。
スタッフ一丸となって、夢中で試作を繰り返し、
つぎつぎと商品にしました。
すると、わたしたちが思うよりずっと多くの
さまざまな悩みを持つお客さまから
メッセージが届くようになりました。
「更年期で、謎の体調不良が出てきた」
「出産してから、食べるものを選ぶようになった」
「甘すぎるお菓子が、好きじゃなくなった」
「添加物が気になる」「肌荒れが気になる」
卵、乳、小麦を使わないことで、
こんなにも、個々種々の悩みが解決できるなんて。
「やっとたどり着いた、最後のお菓子です」
「もう一生、ここのチョコレートでいい」
こんなにも、熱い想いを届けてくださるなんて。
知ってしまったからには、もっともっと応えたい。
I’m Here. ― わたしは、ここにいる。
どんな、ささいなことでもいい。
そう声を上げてくださるあなたのために。